コラム

Vol.91 発達心理学×NVC→最強の1on1演習ができました

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2018/09/26

Index

  1. 発達心理学×NVC→最強の1on1演習ができました

発達心理学×NVC→最強の1on1演習ができました

研修講師の仕事は、季節仕事で2~3月、9~10月が多く、今ピークを迎えています。その中でも、評価者研修のご依頼が多いのですが、近年発達心理学やNVCというコミュニケーション手法を使ったフィードバック面談の演習を開発しました。最近受講者の腹落ちが良いのでご紹介です。単体でマネジャー向けコミュニケーション研修でも活用できそうです。

まずは、目標設定面談とフィードバック面談の機能の違いから説明します。目標設定面談は、その期に期待する仕事や期待する行動について目標設定とどのように進めるのかを共有・検討するものです。フィードバック面談は、評価のフィードバックについて部下が納得してもらうことが1つの要素なのですが、それをお互いの人材育成を目的に全く違うものに仕立て直しました。研修では、フィードバック面談こそが人材育成の場であるとお伝えしています。フィードバック面談をいかに人材育成の場にするのかが、評価制度の大きなカギになります。

まずは、テキストに記載されていることを少々解説します。

〇社会人における成長の根源は、「自己認識」です。自分でできていないことを、部下が認識することが大切です。
〇部下に感情的に欠点を指摘したり、叱ったりすると、部下は自分を守るために自己防衛本能を働かせるので「自己認識」は弱くなります。
〇フィードバック面談において、「自己認識」を促すためには、期初に設定した目標・行動について、部下とできたこと・できていないことを共有することが大切です。

その中で、部下の認識=部下評価と、上司の認識=上司評価が異なる場合は、お互いに認識違いがあるので、それが「自己認識」を促すスタートになります。この部下評価≠上司評価の場合、どのように面談を進めて、自己認識を促すかのポイントを説明しています。最後に演習をして理解促進を図ってきました。

今年から、新しい概念を2つ入れました。

1つ目は、傾聴の進化版です。相手の意見を判断せずにただただ聴く練習をします。傾聴と言いながらも相手の意見を分析したり、情報収集したり、時にはどう言い負かせようと考えている思考を一旦止める練習をします。上司が判断を中断すると、部下は「聴いてもらっている感」になり、信頼感に繋がり、本音が言えます。そこから真の面談がスタートします。このスキルを身につけるだけで、面談の内容はぐっと上がります。部下は本音が言えると、すっきりしたと必ず言います。そして、評価のフィードバックに関する納得度も数段上がります。

2つ目は、演習をブラッシュアップしました。上司・部下・観察者と3人のチームで演習します。
(1)部下の意見を判断を保留して聴かないと目的が達成できないケース
(2)部下の本音を引き出すと、マネジャー自身が内省せざるを得ないケース
(3)部下の気持ちに寄り添わないと、部下のモチベーションが下がるケース

このケースを演習することにより、
(1)自分が固定観念を持って面談すると、部下が思っている事実が判明しないこと
(2)固定観念を外して聴くと、部下が本音を言えること
(3)部下が本音を言えることにより、上司自身が自分の課題に気づくこと
(4)それによって、双方の気づきの幅が広がり、お互いが成長できること

この面談ができれば、上司と部下の関係が良くなることは間違いありません。

受講者のアンケートは下記のようなものになります。

・傾聴が、部下との信頼関係を築く武器だと感じた
・部下と壊れた信頼関係も取り戻せそう
・部下が感じていること・事実を引き出すことができる
・自分自身が仕事に忙殺されず、ゆとりを持つことができる
・自分の固定観念に気づくことができる
・相手の気持ちに寄り添うことが大切だと認識でした
・聴くには「胆力」が必要だと認識できた

など、かなり深い気づきを促すことができました。

フィードバック面談は、普段よりスピードを落として、上司は余白を持って「しみじみ」やるのだと伝えています。この「しみじみ」感は一緒に演習をやらないと共有できないかもしれませんが、お互いの心の余白が、安心を生み、気づきを生みます。そして、この面談には、上司の「胆力」が必要になります。部下の本音を聴くと自分の弱点や課題を指摘される可能性がありますが、それを乗り越える傾聴力が必要になります。その「胆力」が器の広さにもなると思います。

そういった意味で、結果的には心の発達段階の成長にもつながると考えています。そのような面談が上司・部下との間で可能になると組織の生産性も上がると思います。

興味ある方は、弊社までお問い合わせ下さい。

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