コラム

Vol.83 ローパフォーマーへの誤解

2017/11/28

Index

  1. ローパフォーマーへの誤解
  2. 弊社書籍のご案内『今さら聞けない人事制度の基礎48話』
  3. 人事・教育担当者に読んで欲しい書籍

ローパフォーマーへの誤解

来年度は、新しい分野の研修の提供に取り組もうと思っています。人材育成について、「能力開発」という側面に加えて、「心の成長(知性レベル向上)」にも着手していきます。発達心理学という学問が出てきたことで、ようやくビジネスの場面でも「心の成長(知性レベル向上)」という題材を扱えるようになったことは感慨深いものがあります。

では、「心の成長(知性レベル向上)」って何?という話をしていきたいと思います。「心の成長(知性レベル向上)」は発達心理学の領域の話をしており、詳しい話はお勧めの書籍欄を参考にしてください。「心の成長(知性レベル向上)」に関しては、あえてローパフォーマーの事例からお話を進めさせていただきます。

周囲から見たローパフォーマー事例(一般社員編)

周囲から見ると、立ち居振る舞いが独特で、ちょっと迷惑な人っていますよね。
ポイントがずれて考えてないように見える人っていますよね。
行動に移したり、発言までに時間がかかる人っていますよね。

周囲は思考が遅いとか、考えてないとか思っていますが、実は本人は相当考えているのです。考えすぎてポイントがずれるんです。「相手に良かれ」「自分を認めて欲しい」という欲求から、色々考えて、最適解を出そうとすればするほど、時間がかかり、ポイントがずれることを本人は知らないだけです。

この衝動的な癖に気づき、どこからその衝動が起こるのか?理解できると、すっと消えて、その人の思考は元に戻ります。衝動の原因は、幼少期に母親に認めて欲しかった体験や、思春期に仲間外れになった体験から起こることが多いように思えます。

周囲から見たローパフォーマー事例(管理職編)

衝動的に怒る人(キレる人)っていますよね。
朝からイライラしている上司っていますよね。
細かく指示するマイクロマネジメントの上司もいますよね。

こういった上司がいると周囲は大変ですよね。会社としてはハラスメント研修とかしますよね。しかし、根底にある怒り・イライラの衝動をコントロールする方法をしらないと、いつまでも治りません。そして、不幸なことに家族にも同じことをしている可能性大です。

この衝動的な癖に気づき、どこからその衝動が起こるのか?理解できると、すっと消えて、その人の感情は穏やかになります。衝動の原因は、父親からの虐待的な体験であったり、如何ともできなかった環境に対する怒りかもしれません。お分かりの方も多いと思いますが、そうやって遺伝的に子供にその衝動は受け継がれていきます。

周囲から見たローパフォーマー事例(経営者編)

議論が好きだけど、決めない経営者っていますよね。
細かい資料を準備させるけど、それは単に上司に気休めだと分かりますよね。
そもそも、明確な戦略や方針がないまま、長い年月が経っていますよね。

こういった経営者がいると大変だと思いますが、多くの場合はビジネスモデルがしっかりしているので急につぶれることはありません。ご安心ください。ただ、こういった経営者も「意思決定できない」「責任を取るのが怖い」という自分に気づいています。ただ、それは言い出せないので、「資料を作れ」「議論を尽くせ」と言っています。やはり迷惑です。

この衝動的な癖に気づき、どこからその衝動が起こるのか?理解できると、すっと消えて、その人は意思決定できない自分をオープンにできます。誰かに意思決定してもらえれば、社内効率が上がるのでそれで良いでしょう。衝動の原因は、親からの厳しいしつけや、失敗したトラウマから恐れが立ち上がるのかもしれません。

共通していることは、皆一生懸命生きていることです。そして、

  • 上記の衝動は、自分では隠しているつもりでも、周囲にはダダ漏れです
  • それらをオープンにしても、何も起きないこと(本人がすっきりするだけです)
  • そして、上記の衝動は多かれ少なかれ、全員が保有していること
  • ただ、自分の内面に起きる感情・衝動などと向き合うことで、解消できること(結果として、それが心の成長に繋がります)
  • 最後に、心の成長を促す方法がスキルとして開発されていること

これらがようやく形になってきたので、それを法人にスキルとして伝えていきたいと思います。多分、今までは宗教的な側面や、一部コーチング手法として活用されてきた内容を法人向けにカスタマイズしています。自己開示系なので、受講者に心の痛さが伴うとお思いかもしれませんが、それほど痛くなくマイルドにできるようになりました。

一番やってみたいのが、経営者です。成功したら大きな効果がでますよね。次にやりたいのは管理職です。
興味のある方は、弊社までお問い合わせ下さい。
過去、島森と接点がある方は、その進化の度合いを見に来てください!

弊社書籍のご案内『今さら聞けない人事制度の基礎48話』

弊社吉岡が執筆した書籍が出版されました。
「新たに人事部門に配属された人向けにお勧めの書籍がありますか?」とよく
聞かれますが、いつも回答に悩んでいました。私も人事制度のコンサルティングをスタートしたときは、人事の素人でしたので、言葉が分からない・関連性が分からないとものすごく悩みました。

そして、待望の「人事初心者向け」の書籍ができました。新しく配属になった人に全部を教えるのは、(正直言って)面倒ですよね。そんな時にこの本を渡してください。等級制度とは?ベアとは?役職定年とは?などテーマごとに分かりやすく書かれています。あとは「人事・労務用語辞典(出版:日本経団連出版)」を用意すれば完璧だと思います。

ちょっと人事制度をかじったことがある方、関連部門にいながらも自信のない方にも、おさらい・体系化に役立つ内容となっておりますので、是非ご一読ください。

購入はこちらから↓
https://honto.jp/netstore/pd-book_28734332.html

人事・教育担当者に読んで欲しい書籍

上記で紹介した発達心理学について、書籍にはなっていませんが、是非ご一読頂きたい資料があります。

書籍名:『心の隠された領域の測定』
著者名: 著)オットー・ラスキ 訳)加藤洋平

書籍としては販売されておりません。こちらのURLからご購入ください。下の方にあるPDF資料です。
https://www.yoheikato-integraldevelopment.com/shop–cart

人事の世界で探求をかなり深めている人はご一読ください(かなりの上級者向けです)。好きな人はよだれが止まらないレベルですし、この分野の可能性を感じると思います。一方で、使い方を間違えると、大きな問題が生じる気もします。知性の発達度合いが高くないと読めない資料でもあります。僕も発達段階5のレベルは理解できない部分もたくさんありました。

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