コラム
Vol.80 共感コミュニケーションの実践をしてみて
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2017/08/09
Index
- 共感コミュニケーションの実践をしてみて
- 人事・教育担当者に読んで欲しい書籍
共感コミュニケーションの実践をしてみて
今年に入って、共感コミュニケーションなるものの理解と実践を進めています。徐々に形になってきており、評価者研修の場などでも紹介しています。今日は、その共感コミュニケーションの実践について触れたいと思います。
共感コミュニケーションとは、自分の「解釈」に左右されることなく、相手と真のコミュニケーションを図る手法です。頭で解釈(判断・分析・批判・取引など)するかわりに、自分自身と相手の心の声に耳を傾けて、感情とニーズを明確にしていくことで、お互いの解釈(誤解や偏見など)からではなく、心からつながりながら共感を伴ってコミュニケーションをすることを目指します。
その前に、自分の感情とニーズにつながることが大切で、日々こんな鍛錬をしています。
Step1)自分が心を動かされた事象・事件を思い出します。
例:部下のある発言が、自分の心を傷つけ、怒りを感じたなど。
Step2)その事象・事件について、奥にある感情を感じます。
思い出すというより、その感情を今の自分のなかに感じます。
例:(怒りの奥に、実は)寂しさを感じていたなど。
Step3)感情の奥にある、ニーズを探ります。
何がなくて、何が欲しくて、その感情に至ったのかを感じるイメージです。
例:(寂しさを感じたのは)共感を感じたかったからなど。
Step4)ニーズを満たそうとしたときに、自分はどのような行動を選択するか考えます。
例:もっと対話しよう!など
このステップで進めていくと、Step1)で反応して行動するより、冷静であり、自分のニーズにつながることができる第三の道を選択できます。この思考方法ができると、自分の恐れ・不安・怒りとは決別した意思決定ができると感じています。
それを、上司が体得できると、部下とのコミュニケーションが変わると思いますし、次のステップでは、上司が部下の感情・ニーズとつながってコミュニケーションできることを目指します。共感コミュニケーションを研修の場で体験して、普段のコミュニケーションでも活かしてもらおうと実践しています。
家族とのコミュニケーションでも有効ですよ。特に、子供の気持ちを受けとめるためには良い方法です。娘が泣いているときも、一緒に悲しみを感じて、彼女のニーズを考えて、その後にメッセージを投げてます。
何だか、感情が揺れ動いた後の気持ちを立て直すスピードが、早くなったような気がします。体得には練習が必要ですが、しばらくトライを続けますので、その結果を体系化してお伝えできればと思います。
人事・教育担当者に読んで欲しい書籍
書籍名:『成人発達理論による能力の成長』
著者名:加藤洋平氏
文章としては分かりやすいですが、少々上級者向けの書籍です。(夏休みの課題図書として最適)オランダのフローニンゲン大学に在籍し、発達科学を研究している加藤洋平氏の最新書籍です。
人の器としての成長と、スキル・能力の発達という2つの観点から、成人の成長とは何かを分かりやすい視点で解説しています。人の成長に関して、初めて知る内容ばかりです。着眼は分かりやすいのですが、では実務の現場でどう人材育成に活用するのかは一工夫必要になります。そういった意味で上級者向けですが、人材開発部門の方は必読の書だと思います。
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