コラム

Vol.69 子育てができるひとは部下育成もできる

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2016/05/31

Index

  1. 子育てができるひとは部下育成もできる
  2. 人事・教育担当者に読んで欲しい書籍

子育てができるひとは部下育成もできる

今回は、部下育成と子育てについて個人的な考えを書きます。完全に個人的な見解なので、賛同するも、賛同しないもお任せします。個人的には、部下育成力は後天的に習得できるスキルだと思っています。同じく、子育ても習得できるスキルだと思っています。スキルというか、ある1つのポイントを理解するだけだと思います。

それは、部下と子供の「個性の理解し、それを受け入れること」です。

部下育成に必要なことは個別理解(多様性の理解)だと思っています。部下の性格や能力・力量などを把握して、その部下なりの育成の仕方・モチベーションの上げ方ができることが一番大切です。上司の都合や自分の成功体験を押し付けることが、一番部下を委縮させ、部下の成長の妨げになると思います。部下の強みを見つめて、その芽を伸ばすことが大切です。

そのための武器は、観察と仮説検証です。じっくり部下を観察して、こんなところが強みではないか?こんなことでモチベーションが上がるのではないか?と仮説を作って、ぶつけてみてその反応を確かめることです。このトライ&エラーをしながら、部下の強みやモチベーションのツボが分かったときは嬉しいものです。ここに喜びを感じることができることが、良いマネジャーであり、教育者
だと考えています。

一方で、子育ても同じです。親の持っている個性や能力と違った子供が生まれる可能性があります。親の価値観で、勉強して良い学校に入って、安定した会社に入ることが幸せだと思っていることが、本人にとっては大迷惑な可能性もあります。親の価値観を強要すると、親への依存度が高まり、ある程度の年齢になると親への反発が始まります。

やはり、子育ての武器も、観察と仮説検証です。子供は何に興味を持っているのか?何に没頭するのか?を見極めながら、その子に合った機会を提供したり、たまには違った機会を与えながら、本人にもそのフィードバックができればと思います。できる限り本人が持っている世界観を壊さないように、親の都合のメンタルモデルを植え付けないように、丁寧に観察と機会の提供を心掛ければ、自律的な子供が育つと思っています。

言葉で表現するのは簡単ですが、実際に行動するのは難しいです。「分かっているけど」の意識からスタートするので良いと思います。私も日々鍛錬中です。

人事・教育担当者に読んで欲しい書籍

書籍名:『なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』
著者名: 加藤 洋平氏

日本では紹介される機会の少ない成人以降の発達に関する理論を紹介した書籍です。発達心理学の観点で、それぞれの特徴と、どう次の段階へサポートするかを分かりやすく書いてあります。ちなみに、発達心理学的には、下記の段階をゆっくり5年~10年かけて上がっていき、発達段階の下の人は上の人の概念(言っていること)が理解できないという話が前提になっています。

発達段階1:具体的試行段階(学生レベル)
発達段階2:利己的段階(社会人の約10%)
発達段階3:他者依存段階(社会人の約70%)
発達段階4:自己主導段階(社会人の約20%)
発達段階5:自己変容・相互発達段階(社会人の約1%)

主人公(実践する人)とアドバイザー(発達心理学の専門家)の物語で説明されており、すぐに読めると思います。

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