コラム
Vol.67 会社の方針策定は無駄な時間!?
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2016/02/23
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- 会社の方針策定は無駄な時間!?
会社の方針策定は無駄な時間!?
研修講師として、この時期一番怖いのはインフルエンザにかかることです。講師がインフルエンザで研修が中止・延期というお願いもできないので、この時期はインフルエンザにかからないことにしています。お陰さまで、まだ生まれてからインフルエンザにかかったことがありません。対処策は、「マスク」と「うがい」と「気合い」だけですが。また、この時期は、目標設定の時期・評価の時期が重なるので評価者研修が多くなります。
多くの方針・目標設定されたシートを見ていますが、一番感じることは方針策定は無駄な時間なので、やめればいいと思っています。役員・部長クラスの研修で、「方針はどんな目的で策定するのでしょうか?」と質問することがあります。意外に的確な回答が返ってこないものです。
私は、方針とは下記のように定義しています。
「方針とは、戦略実現に向けて、現場の経営資源を配分するための指針であり、特に現場の時間配分を変える指針になってることが必要不可欠である」
大事なのは、方針が現場の時間配分を変える指針になっているかということです。
今から10年以上前になりますが、私が出光興産で勤務していた時に、自分のスケジュール帳が1年で8割変化したことがあります。ガソリンスタンドを経営するディーラー支援の仕事をしていましたが、同じ職場で、同じ仕事をしていたにもかかわらず大きな変化がありました。
【それまで】
・製油所で精製したガソリンを、ディーラーさんのガソリンスタンドに届ける
・ディーラーさんと値決めをしたり、決算書分析したり、担保をもらったりする
・打ち合わせは、ディーラーの社長や経理部長など
・必要なスキルは、交渉力・財務/法務関連の知識
【ある時の方針】
末端のガソリンスタンドが価格競争に巻き込まれ、ほとんどのガソリンスタンドが赤字になりました。そこで、末端のガソリンスタンドの販売力を強化せよという方針がでました。
【その後】
・ガソリンスタンドの販売力を強化し、ガソリンスタンドを黒字化する
・ガソリンスタンドのオペレーション統一・取り扱い商品の拡大・集客など
・打ち合わせは、ガソリンスタンドの店長など
・必要なスキルは、商品開発・マーケティングなどの知識
ということで、ディーラーの社長・経理部長に会いに行く時間が2割になり、ガソリンスタンドに行く時間が8割になりました。求められるスキルも大幅に変わり、1年後に振り返ると大きく成長したと感じました。
というように、「現場のスケジュールを変えるパワーがある」方針をしっかり展開し、企業の生き残りのために、新しいお客様・新しい商品/サービスを開拓・開発し続けることが企業に必要です。
一方で、企業から方針をいただくと、TOP・部長クラスの方針に下記のようなことが書いてあります。
例)国内シェアの拡大に向けた成長戦略の実践(その成長戦略は誰が考えるのか?)
例)ブランド戦略の幹づくりの支援(分かるような分からないような…)
例)営業元年として頑張ろう!(気合は伝わる)
例)個人ではなくチームで売ろう!(気持ちはわかる)
例)人材育成の推進(人材育成という言葉が一番怪しい)
という方針を一生懸命に展開していますが、それでは、会社の未来は作れません。方針がないのであれば、方針を作らない方が時間的に効率化が図れると思います。
正しい方針は、「やることが絞り込まれているか」「現場のスケジュールは変化するか」という2つの視点で判断ができます。「やることが絞り込まれているか」判断するためには、方針をひっくり返してみると良いです。例えば、国内シェアを縮小するという方針はあるか?人材育成はしないという方針はあるのか?と見極めてください。「現場のスケジュールは変化するか」は、部下に方針を伝えたときに、どう実行するかイメージが湧くことが大切です。
明日も、方針策定の研修をやります。また、学習したこと・感じたことがありましたらメルマガでフィードバックします。
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