コラム
Vol.52 10年間の経験値 人事制度の作り方5つの秘訣
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2014/04/29
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10年間の経験値 人事制度の作り方5つの秘訣
私が人事制度コンサルティングの仕事を初めてちょうど10年経つので、振り返りも含めて、人事制度の作り方に対するアドバイスをしたいと思います。成功する人事制度改革は、会社にとっても、社員(全員は無理ですが)にとっても歓迎できるものになります。会社・社員のためになる人事制度の作り方を5つの切り口で紹介したいと思います。
1.人事制度改革の目的を発揮させる
最近、上場前のベンチャー企業や、ファンドが入って経営改革している企業の人事制度設計をするケースが多いのですが、目的がはっきりしているため意思決定が的確で、経営戦略実践との整合性が取りやすいです。戦略実践のためには、戦略と組織戦略・人事戦略が一致していると社員に受け入れ易いので、様々な施策が社員の「分かった」に繋がります。
一方で、一番困るのが(なぜか多い)「創業30周年記念として人事制度改革をする」など目的がはっきりしないケースです。意思決定の軸がないので統計データなどを参考に意思決定しますが、結局意思決定の軸がぼやけるので、最適な人事制度は構築できません。
そういった意味で、人事制度改革をするときは、経営視点で目的をはっきりさせることが大事です。
2.人事制度プロジェクトには経営層も入る
従業員が1000名未満であれば、是非経営層も人事制度改革のプロジェクトに参加した方がよいと思います。人事制度構築のプロジェクトは意思決定の連続なので、経営の意思として等級制度=キャリア(人材の育成方法)、評価制度=どんな貢献を求めるか、報酬制度=どんな貢献に報いるか、について、一緒に検討したいものです。以前は、プロジェクト形式で管理職層にも入ってもらって議論しましたが、報酬を支払う側ともらう側との視点は異なるので、最近はプロジェクト形式でやるケースはほとんどありません。優秀な経営者ですと、我々が何年もかけて理解する内容を、ほんの数カ月で理解してしまいます。
3.評価制度はシンプルに設計する
極端な表現をすると、評価を決定するのはマネジメントコストであり、それほど時間をかけても意味がないと思います。できれば評価者研修をやらなくて済む評価制度をつくることが一番です。実際に、昨年の案件ではいくつか評価者研修をやっていません。現場で運営すべき評価制度は方針の浸透・マネジメントの定着・コミュニケーションの活性化・人材育成のためにあるべきで、細かい設計はあまり意味がないと思います。評価制度は、シンプルかつ柔軟に変更できるように設計しましょう。説明しないと理解されない評価制度は作るのをやめましょう。
4.評価決定会議より人材育成会議を実施する
上にも掲げましたが、評価を決定するのはマネジメントコストだと思っています。もちろん経営として大切な機能ですが、そこに時間配分するより、本人の個性の整理、成長方向性の整理、ローテーションの決定などが大切だと思います。部門ごとに管理職以上が一堂に会して、一人ひとりについて丁寧に情報交換するだけで、組織の人材育成に対する風土が変わってきます。人事担当者もその場に参画することにより、人に対する情報が大量に入ってきます。
5.不利益変更が必要な場合の弁護士の活用方法
最近は、労働者側にもWEBを通じて労務関連情報が簡単に手に入るようになりました。制度上、不利益変更が発生する場合は、弁護士さんを活用するケースが増えてきました。弁護士さんの活用方法では、できた人事制度を見てもらうのではなく、設計段階から一緒に入ってもらうことをお勧めします。一度出来上がってしまったものを変更するのは時間のロスなので、適時弁護士さんと相談しながら進めることがお勧めです。労働関係に強い弁護士さんは、我々も知らない情報を沢山持っています。
それでは、人事制度を構築する時期に入っている皆さんは、是非頑張ってください。また、弊社では、人事制度をテーマにしたセミナーを随時開催しておりますので、興味のある方は、是非ご参加ください。
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