コラム

Vol.51 理念あるブラック企業で働け

メルマガ

2014/01/21

Index

  1. 理念あるブラック企業で働け

理念あるブラック企業で働け

新年初メルマガです。本年もよろしくお願いいたします。新年なので多少ピリッとした内容を選びました。賛否両論あると思いますが、今回のテーマは、『理念あるブラック企業で働け』にしました。

年末にこんな相談がありました。
「若手が育たないんです。仕事そのものに興味がない若手が増えたんです」
「多分、残業管理を厳しくしていることが理由だと思います」

この相談をした方は、あるホテルチェーンのシェフです。シェフが育たないと悩んでおります。シェフも労働管理をしなければならない時代が到来したようです(一方で、シェフは労働時間を無視してもよいというのもおかしいですが)。ある銀行では、若手社員が「残業もできない。マニュアルなども外に持ち出せない。仕事の勉強をしたくてもできない」と嘆いていました。残業時間問題が、勉強したい・成長したいと思っている若者の成長の芽を摘んでいるような気がしてなりません。

ちなみに、私は残業時間管理をされた経験がありません。1円も残業手当を貰ったことがありません。好きなだけ働ける環境をいただけたことを今でも感謝しています。それがこれまでの成長を支えてくれたと思います。好きなだけ働くことは、どうしても長時間労働になりがちです。

でも、長時間労働は本人のためになるのです。プロフェッショナルと呼ばれるレベルに到達するためには、10000時間もその専門分野で仕事をする必要があると言われています。簡単に見積もって、4時間/日×250日/年×10年の時間が必要です。労働時間には、雑用や会議などもありますから、実際には4時間/日の専門分野の仕事をすることは一番難しいかもしれません。そのためには、残業してでも自分の専門性を高める、またはその周辺知識を身につけることはとても大事です。

最近、優秀な人事担当の方に会う機会が多いのですが、皆さんは基本的に長時間労働の経験があります。よくそこまで働けるな~と感心するレベルです。その長時間労働の積み重ねが、人事のプロとして活躍されるベースになっていると感じます。

ここでブラック企業の定義ですが、『ブラック企業』(今野晴貴著)によると「新興産業において、若手を大量に採用し、過重労働・違法労働によって使い潰し、次々と離職に追い込む成長企業」と定義しています。

このメルマガでは、一般的に使われている「長時間労働をさせる会社」を定義しています。そういった意味で、経営側に人間尊重・人材育成といういった理念があり長時間労働をさせる会社と、従業員を単なる使い捨てと考えている会社の2パターンあると思います。

若い人には、もし社会人として成長したいのであれば、基準内労働時間だけ働く会社より、多少労働時間が長くても自分の知識・スキル・経験を積める会社を選択して欲しいと思います。そして、単なるブラック企業と、理念あるブラック企業の差は、理念を掲げているか?理念通りに実践されているか?にあると思います。

若者よ!是非、理念あるブラック企業を探し当て、自分の将来の可能性を高めて欲しい。今は、公務員がよいといって皆さん公務員を志向しますが、将来はどうなるか分かりませんからね。間違いなく、これから40年間公務員が安泰ということはないでしょうから。

最後に、このテーマで不愉快になられた方は申し訳ございません。ちなみに、私もブラック企業に勤めたことがありますが、このときは経営者は意図しないでやっていたと思います。結果としてブラック企業のような環境になった会社ですが、そこに入社した私は、毎日出勤前に神社に通い「今日も解雇されませんように!」とお祈りを捧げていました笑。

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