コラム

Vol.40 中国で目標管理導入にトライ

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2012/08/28

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  1. 中国で目標管理導入にトライ

中国で目標管理導入にトライ

前回に引き続き、海外出張の話です。中国にある日本企業の現地工場に、目標管理の導入支援に行ってきました。日本で数々の導入支援をしてきましたが、中国ではまた違った反応で面白かったです。今回伺った工場は、目標管理導入を前向きに受け入れてくれました。

今回伺った工場は来年から目標管理を導入する予定で、その説明会に行ってきました。
1日目は、目標管理の説明
2日目は、総経理が掲げる方針を全管理職で具体的な目標に落とし込み
を行いました。

まずは、社員の皆さんの感想です。
総経理(女性・MBA取得)曰く、「人を数字で評価することはできない。しかし、時には人の人生は数字で変わることがある」と哲学的なコメントで結ばれました。

一方、管理職の感想は、
●会社が大きくなってきているので、マネジメント方法を教えてもらう機会が増え嬉しいです。
●部門間の連携・コミュニケーションの大切さが分かった。
●(財務部門の方)皆さんのコスト意識が醸成されて、良い結果が生まれると思います。
という、前向きなものばかりでした(多少、リップサービスはあるでしょうが)。

導入を支援して感じたことは、日本で親会社の導入支援をした時より、理解が早いということです。人事担当者の質問のレベルが非常に高かったのも印象的でした。また、目標管理に関する捉え方が日本と異なると思いました。日本では評価の手段としてネガティブに受け止められましたが、中国ではマネジメント手段として歓迎されました。中国でも、目標達成度で報酬が変動するのは変わらないのですが・・。そもそも試行錯誤の末、教える側のスキルも上がっているのでしょうが、このままでは、マネジメント力も中国に抜かれるのではないかという危機感を覚えました。

もう一つ、面白事件がありました。夜に食事に行くと、総経理と副総経理が喧嘩を始めました(ちなみに懲罰規程に飲んで喧嘩は罰則があると定めてあるので、二人は懲罰対象(笑))。副総経理(男性・営業部門担当)が総経理に向かって、机をたたきながら抗議しているのです。その瞬間・・・総経理は副総経理の首根っこを掴んで、別の場所に座らせました。二人で猛討議をしたのちに、十数分後、今度は副総経理が泣き出しました。激情の人種です。

翌日、総経理からその背景を聴くと、副総経理は下期から数字が落ちるプレッシャーで夜も眠れないことがあるようで、ちょっとしたきっかけでカーッとなったそうです。そして副総経理が「会社を辞める」という話をしたそうです。総経理は「いいよ」と言った後に「私が目指すのは、この会社を、ココにいる皆で大きくすること。あなたが辞めるなら、私が先に辞める」と言い、この言葉に副総経理が涙を抑えきれなかったようです。

なんとも、力強く、思いやりのあるマネジメントスタイルだと思いました。すぐに総経理のファンになりました。日本人の総経理がうまくいかないのはこの辺りに問題があると思います。そもそも会社への想い・社員への想い、そんなところに差があるのではないでしょうか。

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