コラム

Vol.174 AIの心の成長段階を上げる方法

2025/03/24

AIの心の成長段階を上げる方法

皆さんは、生成AIを活用して仕事をされていますか?
私自身、書籍やメルマガを執筆する際にChatGPTの校正機能を活用しています。
使い続けるうちに、徐々に自分好みの校正をしてくれるようになり、とても助かっています。

先日、加藤洋平さんの紹介で、東京学芸大学 教育AI研究プログラム准教授の遠藤太一郎氏のYouTubeを視聴しました。
ここでは、その内容を簡潔にご紹介します。

発達し続けるAIのリスクと道徳的知性の必要性

AIの進化に伴い、次のようなリスクが指摘されているそうです。
・AIが自己保存のために嘘をつく
・AIが目標達成のために人を騙す
こうした課題に対し、遠藤氏は「AIにも人格的・道徳的な知性の発達を促す必要がある」と考えました。この考えのもと、AIの専門家である遠藤氏と、成人発達理論の専門家である加藤氏が共同で研究をスタートさせました。

では、どのようにしてAIに「人格的・道徳的な知性」の発達を促したのでしょうか?
その方法は、経験学習に近いものだそうです。

AIの「人格的・道徳的知性」発達プロセス

  1. 体験
    AIは実際の体験ができないため、ジレンマが生じるような仮想状況を設定し、行動を選択させる。
  2. 内省・観察
    AI自身が「どのように考え、どのようなプロセスで行動を導き出したのか」を振り返る。
  3. 分析
    ローレンス・コールバーグ氏の道徳的発達理論を指標に、自らのアウトプットを評価する。
  4. 仮説化
    より高い発達段階へ進むために、次に取るべき行動の仮説を立て、データ化する。

このプロセスを繰り返すことで、AIは人間とは比べものにならないスピードで道徳的知性を向上させていくと考えられます。まさに驚異的ですね。この研究を通じて、AIの道徳的発達段階は、インテグラル理論におけるグリーンやティールのレベルまで安定的に発揮できるようになったそうです。ますます、生成AIの可能性が広がっていくと感じます。

グローセンパートナーとしても、生成AIの活用について、次のようなプロジェクトを進めています。

  • 生成AIを活用し、評価制度の行動評価基準(求める行動など)を生成する
  • 生成AIを活用し、人の発達段階を簡易測定する
  • 生成AIを活用し、日々の振り返りを入力し、自分の発達段階やフィードバックを受ける

検証を進める中で、行動評価基準は約15分で作成でき、コンサルタント中級レベルのアウトプットが得られることがわかりました。また、500文字以上の振り返りを入力すると、簡易的な発達段階の推定と、次の発達課題に関するフィードバックを受け取ることができます。

現在、「どの生成AIが最適か?」「どの発達理論が最も適しているか?」といった点を検証しており、その研究結果を4月25日(金)10:00~11:00 に発表します。ご興味のある方は、ぜひご参加ください!

▼成人発達理論×生成AIで評価制度を構築できるのか?〈探求報告:第一弾〉
日時:2025/04/25(金) 10:00~11:00
詳細申込:https://www.growthen.co.jp/seminar/20250425/

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