コラム

Vol.159 格好つけると痛い目に合う?グループリフレクションで表れる組織と人の特性

2024/01/19

格好つけると痛い目に合う?グループリフレクションで表れる組織と人の特性

研修などの短期間の付き合いでは、その差はわかりにくいですが、グループリフレクション(以下、グルリ)で3か月ほど共に活動すると、順調にスタートを切れる組織とそうでない組織、グルリの場をうまく活用できる人とそうでない人に分かれます。
グループリフレクション(グルリ)とは?

その差は、格好つけるか、裸(素)で向き合えるかだと考えています。グルリは、メンバー4名とファシリテーター1名で構成されるため、早く素の自分を見せることができる人がいると、グループ全体の変容が早まります。グルリは、1人10分間で、発表5分+他者からのフィードバック5分という構成です。その5分の発表で、その人の状態(格好つけている度合い)が分かります。恰好つけている人の発表は、つまらないことが多いのです

ちなみに、格好つける人の特徴は、
・しっかり整えようとする人(うわべだけしっかり取り繕う人)
・リスクを取らずにルール通りにやろうとする人
 (ルールを守れば逃げ切れると思っている人)
・自分の本音に触れず表面的な人(自分の内面と向き合うのが怖い人)
・自分を正論で固めている人(正しさの鎧を着て、かっちこちの人)
・自分の弱さを見せられない人(劣等感の塊の自分を許せない人)

反対に、素のままの自分を出せる人の特徴は、
・自分のダメさ加減を表現できる。
・自分が辛いと言葉にできる。
・助けてほしいと言葉にできる。
・自分が苦しんでいることを表現できる。
・自我を乗り越え、ダメな自分も自分だと理解できている。

グルリのメンバーに、素の自分を表現できる人がいると、その場が解放され、徐々に他のメンバーも鎧を脱ぎ始めます。理解できていなくても構わないし、失敗しても問題ない。だめでもかまわない。それを素直に表現することで、その場に共感が芽生えます。共感の輪がどんどん広がっていきます。

そして、共感から協力、共感から感謝が生まれ、ますます心理的安全性が高まります。
「○○さんのやり方を参考にしていますが、なかなか真似できません」
「○○さん、助けてください。後で電話します」
「本当は、すごく辛いんです」
こうした言葉があふれ、心が揺れ動きます。正論で人は動きませんが、感情で人は動かされます。

裸になった人たちから共感が生まれ、連携が形成され、課題解決が迅速に進み、お互いに尊重が溢れます。一方で、格好つけている人は最後までその波に乗れずに苦しみます。仲間に入れません。

格好つけるのは、相手に良い自分を見せたい「劣等感」から生まれます。劣等感を隠そうとすると、恰好つけたくなりますが、逆に格好悪くなります。劣等感をそのまま表現すれば、それは妄想だったと気づきます。そして、とことんまで劣等感と向き合ったときに、「ああ~そんな自分がいいな!」と自分に肯定的になれます。

格好つけると辛くなります。
裸になると楽になります。

辛いと思っている人は、素のままの自分を出してみる練習をしてください。
格好つけると人は遠ざかります。
裸になると人は寄ってきます。

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