コラム

Vol.156 武器を装備するリーダーシップ、鎧を脱ぐリーダーシップ

2023/11/01

武器を装備するリーダーシップ、鎧を脱ぐリーダーシップ

私は、長らくマネジャーとしての役割には苦手意識を抱いていました。コンサルタントとして、個人でタスクを進めることは得意でしたが、チームメンバーとのコミュニケーションが難しいと感じ、特に会議や1on1の場面に抵抗を感じていました。

マネジメント研修の登壇者として、マネジメント論やコミュニケーション論などの知識は豊富に持っているため、それらを受講者に伝えることは得意です。しかし、自ら実践するのは苦手だと感じていました。

私は、多くの企業のマネジャーよりも、マネジメントに関する知識やスキルは豊富に備えているはずなのに、それでも苦手意識が拭えませんでした。つまり、知識やスキルだけで強いリーダーシップが発揮できるわけではないのです。あるときから、マネジメント関連の書籍を読むのを止め、「助けて」「これは苦手です」「やりたくない」と素直に自分の気持ちを伝えるようにしました。徐々に、防御の鎧を脱ぎ捨てていったのです。

その上で、対話の場を増やしていくことに努めました。これにより、自分の胆力を鍛えられたように思います。トライアルとして、仕事の量も半分に減らしてみたところ、チームのメンバーは自主的に動き、問題が起こっても自ら解決に向かい、結果的に業績も向上しました。自分が余計な介入をしていたことに気づくことができました。

武器を装備することでリーダーシップが発揮できる時期もありますが、一定の経験を重ねた後は、鎧を脱ぐことでのリーダーシップが磨かれると私は感じています。「自分のやりたようにやる」「助けて~といえる」「こだわりを捨て、寛容になる」を心がけてみてください。そうすれば、あなたも、そしてあなたのメンバーも、より働きやすい環境を手に入れることができるでしょう。

マネジャーという立場に力が入っている人は、体調を崩している人もいるかもしれません。
また、疲れが取れない人もいるでしょう。それは、力が入り過ぎているからかもしれません。

秋の旅行シーズンに、1泊2日の一人旅でも行ってみてはいかがでしょうか?
何も考えずに、ぼーと景色を眺めたり、温泉に浸かったり、旅先の住民と話をしたり、きっと鎧を1枚脱げることでしょう。

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