コラム
Vol.12 知的障害者がマネジメントしている会社
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2009/02/12
Index
- 知的障害者がマネジメントしている会社
- メンタルヘルスカウンセラーの仕事(野中のつぶやき Vol.9)
- HRD JAPAN 2009 に参加して(富士ゼロックスの人材育成)
知的障害者がマネジメントしている会社
カンブリア宮殿でも紹介された6割以上が知的障害者で経営をしている「日本理化学工業」を見学してきました。知的障害者の一般社員が「班長になりたい!班長目指して頑張っている」という声を聞いて、その現場を確かめたくなりました。たまたま機会に恵まれ、工場の現場も見ることができましたので、その正体をご紹介します。
質素な会議室に通されました。6割以上が知的障害者という会社ですが、5S活動そして、一人ひとりの目標が写真とともに掲げられています。もちろん、漢字が書けない人もいます。
後で知ったのですが、お茶を入れてくれた年配の女性が一番最初に障害者として雇用した人だと分かりました。一人ひとりにお茶を配ることができません。お茶の数と見学者の数が合いませんでした。
ではどのように工場を運営しているのでしょうか?
基本的にはラインを細かく区切り、作業をシンプルにしていることです。多能工化など難しいことはできない反面、決まったことはきっちりできるという強みを活かしてラインを構築しています。配合などはよく考えられています。炭化カルシウム・30kgなどは理解が難しいので、赤い箱から、赤いおもりに見合う分の、赤・青・黄色を配合して製品を作るという工夫をしています。
ただ、現場に行くと・・・
健常者ばかりの現場と違いが分かりません。淡々と働き、係長が周囲を見回っています。もしかすると健常者以上に頑張っています。チャイムの音を理解できない人は、ずっと働き続ける人もいるそうです。周囲の人が仕事を止めさせるようです。
ただ、皆仕事が好きです。意欲もあります。感謝もあります。働けることに!
以下は、大山社長が直々に話をして下さいました。
大山社長も、なぜ重度の知的障害者の人が会社に一生懸命に来るのか分からなかったそうです。施設で保護されていれば、一生楽に暮らせるのに、仕事でいろいろ注意されても、施設に帰りたがらないのを不思議に思って、たまたま居合わせたお坊さんに聞いたところ、即座に「当たり前ですよ」と云われました。「大山さんはほどほどに物やお金があるでしょう。それで幸せと思っていますか。究極の幸せは四つです。
一つ目は「人に愛されること」
二つ目は「人に褒められること」
三つ目は「人の役に立つこと」
四つ目は「人に必要とされること」
です。愛はともかく、あとの三つは仕事で得られることですよ」と。企業は人間みんなが求める究極の幸せを与える場なんです。と答えたそうです。
ここに、働きがい・いいチームワークのカギがあると思います。
自分たちが恵まれ過ぎていること、もっと一生懸命仕事に打ち込めること(時間の問題ではなく深く)、仕事を通して成長できる幸せを噛みしめること。
そして、経営者は社員を愛すること・褒めること・役に立たせること・必要とすること、これだけをやればいいと思います。これが、(大儲けはできないと思いますが)会社の永続を約束するものだと思います。
メンタルヘスルカウンセラーの仕事(野中のつぶやき)
2月も中旬が近づいてきて、天気予報で花粉情報が流れ始めた。今年の花粉の飛散は若干早い、という予報が報道されていた。少し早めの春の訪れになるのだろうか。
天気予報を聞いていて若干不安が心をよぎった。春が来ると例年調子を崩す人が増える。知り合いの内科医が話していたが、いつも2月は患者数が多いのだそうだ。なぜですか?と聞いたところ、季節の変わり目には、人間は温度の変化や気象の変化になかなか体がついていけず、この時期は不思議なくらい体調不良を訴えて来院される方がかなり増加するのが常になっているとのことだった。
心の調子も同じように、2,3月の春が近づき新芽が出始める頃に不調を訴える人が増える。今年は昨年から続く不況の影響もあり、気分的に気持ちが晴れない人も多いことが予想されるため、心身の不調を訴える人や自殺者が増加しないことを切に願っている。
春が来ると、毎年木々や草花を見てとてもうれしくなるのだが、心の調子が優れな人にはとても厳しい時期でもあるので、いつものことだが春は複雑な心境になる季節なのである。
気持ちが前向きになれる春がみなさんに訪れることを願っている。
HRD JAPAN 2009 に参加して(富士ゼロックスの人材育成)
技術の伝承・人材育成というカテゴリーで富士ゼロックスを選びました。これが大ヒットしました。これまで人材育成システムを考えてきましたが、グローセンパートナーが考える仕組みと全く同じことをしていましたので、感動しました。ただ、富士ゼロックスはシステム化していますが・・・
簡単に内容を紹介しますので、できる範囲で企業で実践してみてください。
①育成方針の展開(部長の教育方針⇒課長の教育方針を示しています)。部長さん が一生懸命書く方針に感銘を受けたそうです。
②スキルシート(ITSSをベース)を独自に策定し、一人ひとりのスキルレベルを把握
③上司は部下に伸ばしてほしいスキルを3つ伝えます。
④部下はそのスキルを伸ばすことを頑張ります。もちろん仕事のレベルもアップしますし、昇格とも連動しています
⑤上司は弱みだけではなく、部下の強みも特定します。
⑥伸ばしてほしい3つのスキルを組織ごとに集計すると、どんな教育ニーズがある か把握できます。これによって、教育計画を立てていくそうです。実際に研修内容と現場の欲しい教育のアンマッチが合ったそうです。
このようなことを仕組化して、「人材のスキルの見える化」「組織が保有しているスキルの見える化」「欲しいスキルの見える化」が実現できています。システム化は難しいですが、
①育成方針を展開すること
②部下の育成課題を3つ設置すること
③育成課題を集計して教育計画を策定すること
は中小企業でもできそうです。
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