コラム

Vol.10 適性検査(eF-1)を人材選抜・人材配置に活用する

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2008/12/24

Index

  1. 適性検査(eF-1)を人材選抜・人材配置に活用する
  2. メンタルヘルスカウンセラーの仕事(野中のつぶやき Vol.7)

適性検査(eF-1)を人材選抜・人材配置に活用する

この1年は心理学の理解を少々深め、人間の持っている強み(資質)をどう活かすかということをテーマに人材育成システム・研修などの商品を作りあげてきました。いい前進が図れたと思います。

前回、eF-1という適性診断を紹介しました。その後、イー・ファルコンさんと数回打ち合わせを行い、この適性診断が人材選抜・人材配置・人材育成にも活用できることが分かりました。どんな活用ができるかいくつかご紹介したいと思います。

採用に適性検査をする企業は多いと思いますが、できれば全社員に適性検査を実施し、そのデータを使って人材選抜・人材配置に活用すると様々なことができます。

まず、求める人材像を明確化にするために、「高業績者」の適性検査結果、「上司から見て優秀だと思う(感覚的な優秀者)」の適性検査の結果をマトリックスにプロットすると、
1.高業績者であり、感覚的に優秀者
2.高業績者ではあるが、感覚的には非優秀者
3.非高業績者ではあるが、感覚的には優秀者
4.非高業績者であり、感覚的には非優秀者
という領域ができます。

1.積極性・明朗性など、4.には非協調性・内向性などの因子が一般的に現れますが、これは企業・部門によっても違うから面白いのです。例えば「気分・行動のムラ」は経理部門では困りますが、気分転換が必要な営業部隊では必要な因子になることもあります。

これから活用方法を簡単に説明します。

採用時点では、4.人材は極力採用しなければいいのです。反対に、1.の人材の動機づけの要因が分かるので、「自立的に仕事ができるよ!」「こんなキャリア形成ができる」という口説き文句が使えます。費用は別途になりますが、適性診断の結果、面談でどんな質問を投げかけたらいいか?どう口説いたらいいかなどの文例も抽出できます。

人材配置では、上記のマトリックスが部門ごとに違うわけですから、その人が4.以外の領域になるような部門に配置すればいいのです。eF-1では将来の幹部候補の抽出もできるので、そのような人材は様々な部門を経験させ、反対にストレス耐性の弱い人は、同じような因子を必要とする職務に異動をさせれば、負担は小さくなります。

また、一般職に求める因子と管理職に求める因子が違うので(管理職には概念形成力・柔軟的思考力・表現力など求められる)、管理職の選抜にもeF-1が使えるわけです。

一方で、eF-1の結果を本人に見せ(アウトプット帳票では、本人にフィードバックしやすい内容が左側、フィードバックしない方がふさわしい内容は右側になってします)、注意すべき行動・発言を共有することも可能です。人材育成に必要な「成長課題」を抽出できるのです。

以上の考え方で、コンピテンシなども作成できます。そうするとグローセンパートナーのコンサルティング領域である「人事制度」「人材育成」「人材配置」「人材選抜」などのさまざまの場でeF-1が活用できます。

新たな情報がありましたら、提供していきます。

メンタルヘスルカウンセラーの仕事

街を歩いていても電車に乗っていても、人と話しても皆さん景気が悪いことと、先行きの不安の話がそこかしこから聞こえてくる。報道されるニュースを見ていても感じるのだが、景気が悪くなると真っ先に行われるのが派遣や非正規職員のカット、そして正規社員のカットへと続く。

企業のメンタルヘルスケアを福利厚生の一貫と捉えている企業が、業績改善の一貫ととらえている企業より圧倒的に多いため、日本ではメンタルヘルスケアもこういう状況の時はカットされる項目の優先順位に上がってくることが多い。

だが、こういう時にこそメンタルヘルスケアはより重要になってくる。というのも、企業の業績が低下すれば社員の給与が減る企業も多く、個人の生活にも様々な影響を及ぼす。給与だけ下がって雇用の先行きは確保されているのであれば不安も少なくて済むが、雇用不安がつきまとってくると家族の精神状況にも影響を及ぼすため、社員の精神状態もさらに不安定となる。そう考えると健康である社員もそうでない社員のケアもこういう状況下ではより重要になってくるとおわかりいただけると思うが、手っ取り早い経費削減ということで目をつけられてしまうことが多いため、サービス打ち切りとなることが多い。そしてその後に続くものは、社員の向上心ややる気の低下、病気の発生による機会損失やさらなる業績低下にもつながってくる。

目先のことにとらわれるのではなく、こういう景気状況だからこそしっかり地固めしてはいあがっていく気力と判断力を持つ企業や経営者が増えることを願っている。そういう企業や経営者のもとで働く従業員は元気に頑張れる。

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