コラム

文化祭で高校1年生が実施した戦略立案と仮説検証

2024/09/26

文化祭で高校1年生が実施した戦略立案と仮説検証

娘の文化祭が終わりました。各クラスの展示は、来場者の投票によって優勝クラスが決まる仕組みになっています。参加するのは中学1・2年生、高校1・2年生です。今年から飲食が解禁になり、たこ焼き屋さんやカフェ、お化け屋敷、学園クイズなど、さまざまな展示が行われました。

娘たちのクラスは、高校2年生を押さえて優勝を勝ち取り、その戦略性とPDCAサイクルの回し方に感心したので、紹介したいと思います。

彼女たちのクラスは「サバゲ―(シューティングゲーム)」を選択しました。2つで2,000円のサバゲー銃を購入し、3人一組で相手と撃ち合います。クラスは、海賊をテーマに大きな船や酒樽、相手の攻撃をかわすための箱や幕で装飾されていました。

まず、彼女たちが注目したのはターゲット層です。1位を取るためには、来場者の票集めが大切です。友達や保護者は、生徒がいるクラスに投票する傾向があるため、そこでは大きな差がつきません。そこで、彼女たちは学校見学に訪れる小学生とその両親をターゲットに絞りました。小学生たちはサバゲーが面白かったのか、何度も来場していました。

次に考えたのは効率性(回転数)でした。一人当たりの滞在時間が長くなるカフェやお化け屋敷などは、長い列ができるものの、来場数は伸びません。しかし、サバゲーは6名チームで1回3分と回転が早く、一人当たりの滞在時間を約30秒に抑えられるため、来場者数を効率的に増やすことができました。

ここまでは戦略的に考えた企画でした。

文化祭は2日間にわたり開催される中で、彼女たちは他のクラスや自分たちのクラスのオペレーションを振り返り、さらなる改善策を講じました。

・競合のクラスと比較して接客レベルが低いことに気づき、声をかけるなど接客の質を向上させた。
・全員が海賊風のメイクをした(ハロウィンが近いので100均ですぐに調達)。
・回転率をさらに上げるために、iPadで説明動画を使う工夫をした。
・校内を回り、積極的な宣伝活動を継続した(意外に来場者が増えたよう)。
・声掛けは「今は、比較的並びが少ないです」と統一した。

優勝が決まった時は、クラス全員で大喜びし、青春の1ページを飾れたと思います。担任の教師は1回もクラスには訪れず、自身の軽音のボーカルに専念していました。先生たちがクラスにあまり関与しない(それも先生の個性・自由)ことが、この学校の特徴でもあります。この経験は、彼女たちにとってかけがえのない学びとなったことでしょう。

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