コラム
問題解決をしないことが一番の問題解決
コラム記事
2024/01/30
問題解決をしているはずなのに、問題が増えているのはなぜ?
日々問題解決に取り組んでいる中で、問題が減るどころか逆に増えているように感じるのは、なぜでしょうか?複雑性が増す時代において、問題解決が新たな問題を生み出すことがあります。さらに、自ら問題を創り出し、自分の仕事を作っている人がいるからだと考えます。
問題が問題を生みだす構造
問題が問題を生む構造とは、たとえば「評価制度が公平ではない」という声に応えるために、評価制度をより緻密に設計したり、評価者研修を実施したりする施策が考えられます。
しかし、評価制度を緻密にするとマネジャーの負担が増え、さらに「ルールが難しい」「理解のための説明をしてほしい」など新たな問題が発生します。同様に、評価者研修を行うと予算確保や研修内容の検討が必要で、さらに「時間がない」「研修が役に立たなかった」など新たな問題が生じます。
優秀な人は「評価制度が公平でない」などと問題を口にしません。忙しいので、そんな問題に構っている余裕がないからです。逆に、優秀でない人(評価が悪い人)に限って、評価制度のせいにしたがります。自分の劣等感に触れるのを避け、他の人や仕組みのせいするのです。そして最悪なことに、どれほど評価制度を緻密にしても、評価者研修の目線をあわせても、その人が報われる可能性が低いので、新たな他の問題を口にしだします。この手の問題は、出口がないのです。
それがゆえに、解決する問題を厳選しないといけないですし、システム思考ができる人(成人発達理論でいうと、発達段階が4.5ぐらいの人)が問題解決することが望ましいかもしれません。
問題をわざわざ作り出す人の存在
また、下記のように問題をわざわざ作っている人も散見されます。
・方針を作るから、方針を浸透させるという問題が生じる(どうせスローガン的な方針)。
・計画を作るから、計画未達という問題が生じる(どうせ適当な数字設定)。
・組織診断をするから、組織の問題が生じる(誰かのせいにしたい経営者のエゴかも)。
・規程を増やすから、規程違反の問題が増える(売り上げを10倍にしろと規定にしてみたらよいかと)。
などなど、わざわざ問題を創造している分、生産性が下がっていると考えています。さらに、「資料を作れ」「会議で決めよう」などと手間をかけるので、余計に時間が削られます。
赤信号で渡る人に対して、「ルール違反だ」「子供が見ている」と怒る人もいれば、「急いでいるのかな」と許せる人もいるでしょう。問題は、その人固有の価値観(ある意味で器)によるものなので、問題を創造する人と、問題を許容できる人が出てきます。
であれば、問題を許容できる器の大きい人を増やすしかないと思います。問題解決する人をしっかり人選する必要があるかもしれません。
自己との向き合い方という問題
弊社について、「会社で問題ありますか?」と質問されたら、「ありません」と私は応えるでしょう。会社のありたい姿もないので、課題も生じません。でも、今のところ存在し続けています。たぶん、余計なことをしていない分、かなり生産性も高いと思っています。
でも、1つだけ問題があるのは、私と私の自我との向き合い方です。注意はしているものの、すーと近寄って私を支配してくる自我には、たびたび呑み込まれます。
そして、問題を創造してしまいます。
最終的には、自己との向き合い方という問題に行きつくのかもしれません
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