コラム
グループリフレクション事例
工場長同士の「本音の関係」が、工場間の連携強化、課題解決力UPの好循環を生む
コラム記事
2024/01/18
グループリフレクション(グルリ)は、PDCAサイクルの定着、心理的安全性の向上、経験学習の定着を目指しています。しかし、当初想定していなかった成果が得られたり、逆に組織の問題が浮き彫りになったりすることもあります。実際にグルリに取り組んだ企業の事例をご紹介します。
※グループリフレクションとは?
グループリフレクション(グルリ)は、PDCAサイクルを回すための仕組みで、2週間に1度、1チーム4人のグループでリフレクションを行います。自分自身の振り返りと他メンバーからのフィードバックを通して、お互いの成長を促す効果を期待できます。このコラムでは、グループリフレクションの効果「経験学習の定着」について解説します。
詳しくはグループリフレクションとはをご覧ください。
背景と課題
度重なる生産部門のM&Aの結果、工場間の連携が希薄になっていた
ある会社は、生産部門のM&Aを繰り返し、急成長していました。それまでは、異なる会社であったことから、工場間の連携が薄かったため、経営層はこれを課題として捉えていました。工場でトラブルが発生すると、これまでは本社の生産本部や品質管理本部に相談していました。
実施内容と効果
グループリフレクションを実施し、工場のありたい姿に向けてPDCAサイクル定着を図る
研修では、工場のありたい姿を描き、その実現に向けてPDCAサイクルを回す準備をしました。そして、グループリフレクションを使ってこのPDCAサイクルの定着を図ることにしました。9つの工場を3つのチームに分けて、毎月1回、合計8回のグループリフレクションを行いました。途中からメンバーを毎回変更することで、新たな関係構築の機会が生まれました。
グループリフレクションの効果は顕著でした。
- 各工場長の強みが共有され、工場間での直接相談が可能になった。
- その結果、生産本部や品質管理本部への相談が減少した。
- 相談が増えることで、問題解決のスピードが向上した。
- 部品在庫をやり取りすることで、トラブル復旧も早くなった。
- 工場メンバーによる自主的な見学会や勉強会が増加した。
- お互いの支援が増え、感謝の言葉が多く聞かれるようになった。
このような好循環が生まれ、全体の工場運営力が向上しました。元々各工場長は優秀でしたが、連携が強化されたことで、組織としての課題解決能力が高まりました。
ある新任工場長の声
今年の1月から急遽工場長になり、なかなか他の工場の工場長とコミュニケーションをとる機会がなかったため、私にとってはグルリが他の工場長とコミュニケーションを取ることができるとてもいい場になっておりました。
また、工場長として手探り状態で仕事をしておりましたので、他の工場長から直接話を聞いたり
アドバイスをいただいたりすることで、工場長として何をするべきかがより明確になり、仕事への不安も減り、自信をもって取り組むことができる仕事も増えたように感じております。
最後に
グループリフレクションでお互いに自分をさらけ出すことで、信頼の絆が生まれる
工場長同士は、多少なりともライバル意識を持っていました。このライバル意識は、「自分の工場はしっかりやっている」「自分はグルリの発表内容が良い」「○○さんにはかなわない」といった、ちっぽけな自我だと思っています。
グルリでは、自分をありのままに表現し、メンバーに対してポジティブなフィードバックをすることの重要性を何度も伝えます。どの組織のグルリでも、最初に自分をさらけ出す勇気を持つ人がいることで、雰囲気が大きく変わります。「PDCAサイクルのレベルは低いですが、自分のところはこれが限界です」「この2週間はほとんど進展がありませんでした」と正直に話すことができると、お互いの心が開かれ、信頼の絆で結ばれたグルリが始まります。見栄を張らず、自己防衛をしなくなります。
グルリの雰囲気が変わると、「○○さんのグルリシートをいつも参考にしています」「今はトラブルが続いて辛いです」「グルリが終わったら相談するので助けてください」といった、本音での連携が始まります。
結果として、グルリは本当に温かい場になります。参加者は、自分を癒やすために、グルリを心から楽しみにするようになります。
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もっと詳しく知りたい方へ
この記事を読んで、グループリフレクション(グルリ)について詳しく知りたい方、相談したい方は、下記からお問い合わせください。
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