コラム
Vol.15 会社を潰す方法
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2009/05/20
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- 会社を潰す方法
会社を潰す方法
伊藤忠会長の丹羽宇一郎氏の講演をまとめた「汗出せ、知恵出せ、もっと働け!」という本があります。その中で「会社を潰すには何をしたらいいのか」をあるフォーラムで討議した結果が書いてあります。
会社を潰すためには、
1つ 社員の尊厳を認めないこと(挨拶をされても挨拶を返さないなど)
2つ 社員を認めないこと・任せないこと(細かいことも口を挟むなど)
3つ 社員を褒めないこと(いつもイライラ怒ってばかり)
だそうです。何と人の動機づけに関することばかり出てきたそうです。
なぜ会社を潰す方法を考えたのかというと、「会社を潰さない方法」を導くためです。会社を潰さない方法が、「尊厳」「認める」「任せる」「褒める」などごく簡単なキーワードに落ち着いたことは素晴らしいことだと思います。
一方で、企業の実態はどうでしょうか?
以下は実際にあった、実際に聞いた話です。
1.退職する社員の賞与を払いたくないので、冬のボーナス支給日を延期した社長
2.定年退職1日前に、社員に辞表を書かせた社長
3.社員が出社しているか信頼できないので、出張の時外から会社に電話する社長
4.2日間体調不良で休んだ社員に始末書を書かせる社長
5.役員(自分の部下)の悪口を、その役員がいない時にいう社長
6.「社員を絶対に褒めない」と宣言している社長
7.一方で、自分は海外旅行・ゴルフ・交流会三昧の社長
恥ずかしいかな、半分ぐらいは自分の前職の会社です。いつ解雇されるか不安の毎日で、入社したころは毎日神社にお参りに行きました。「今日も解雇されませんように・・・」と。仕事の山場が来ると頑張って500円のお賽銭でお願いした日もありました。そんな会社には永く勤めたくないですよね!
一方で、このような会社の社長は何を考えていると思いますか?
意外にも「自分は社員ことを1番に考えている」と答えるのです。そして、確かに社員にプラスになる施策も打とうとしているのです。考えと言動が合わないのが非常に不幸です。
これらの社長は以下のようなサイクルにハマっているのです。
1.最初は社員を信頼していた
2.何かのきっかけ(突然の社員の退職・横領など)で人が信頼できなくなる
3.人を信頼できないために、誤った施策を打ってしまう
4.社員の心が離れる・社長を信頼しなくなる
5.社長はますます社員を信頼しなくなる
最後に、どんどん人が辞めていく・・・
信頼とは預金のようなものです。少しずつ積み立てて信頼になりますが、何かあったときには預金が0またはマイナスになるという怖いものです。その信頼預金を積み立てながら、少しずつ会社を前進させることも社長の仕事です。そういう意味で、自分を相当戒めながら一歩一歩進まなければいけません。
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