コラム
Vol.24 適性診断(eF-1)を活用した適材適所
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2010/02/23
Index
- 適性診断(eF-1)を活用した適材適所
- HRD JAPAN 2010 の事例紹介 コクヨの新人教育
適性診断(eF-1)を活用した適材適所
本日は、適材適所について考えてみたいと思います。マーカス・バッキンガム氏も言っているように、優秀な(業績を上げる)マネジャーは「組織のミッション」と「部下の強み」を結び付けることができる人と言っています。そう言った意味で、人の個性・強みを把握して、「適材適所」ができる仕組み作りは企業の大命題と言っても過言ではありません。
「適材適所」は、
1.全社単位での「適材適所」
2.組織単位での「適材適所」
3.個人単位での「適材適所」
があります。本日は、このなかで1.2.についてお話をします。
適材適所を実現するために、適性を見極めるうえで把握したい要素は、
1.能力(何ができるか・何が得意か)
2.価値観(何に価値を感じているのか)
3.性格・資質(その人固有のパーソナリティー・キャラクター)
4.欲求(自分は何をやりたいか)
です。適材適所が進んでいる会社、1.はスキル定義をベースにデータベースを蓄積し、2.3.は適性診断・アセスメントなどで把握し、4.は自己申告制度の情報もデータベース化しています。
一方、タスクに対して、職種別・階層別に求める能力・知識・経験などをデータベース化を進め、データにおいてマッチングを図っています。例えば、インドの地方企業を買収した時のマネジメント層の人材が欲しいとすると、人材データベースの中から最適な人材が抽出できるということです。
ここまでシステムを構築する訳にはいかない企業はどうしたらいいでしょうか?「人材の見える化」と「適性配置」を検討する場作りが必要となります。簡単なステップをご紹介したいと思います。
STEP1)適性診断の受検
どんな適性診断でも良いと思いますが、個人の価値観・性格・資質が把握できる診断を受検して下さい。適性診断(eF-1)は3つの診断が可能になります。
STEP2)適性診断のフィードバック
できれば、個人でフィードバックするとともに、職場全員で見せ合うこともお勧めしています。職場において、お互いの「強み」「弱み」などを共有できればいいと思います。
STEP3)職場のミッションの定義と分解
職場で来期の部門方針に基づいて、自職場が何をすべきか?を共有し、課題・アクションに落とし込んでください。一緒に共有できることが、ミッション共有と方向性の共有にいいでしょう。
STEP4)役割分担
お互いの「強み」「弱み」を理解してい上で、課題・アクションの役割分担を実施して下さい。その時には「強み」を活かすを7割、「弱み」を克服する3割で分担するといいでしょう。もちろん、実現性を加味して、対象者の能力を遥かに超えている仕事は任せるべきではないでしょう。
STEP5)個人の欲求確認
それぞれの役割分担をしながら、その仕事に対して「欲求」があるかを確認する場を設けて下さい。もし、仕事に「欲求」を感じないのであれば、その仕事を「欲求」を満たすものに変換するか、役割分担を見直す必要があります。全社で対応できる部分も多いと思います。
このような形で、部署の適材適所を実施できれば生産性が高まると思います。そして、部署の役割分担のメリットですが、向いていないと判断できれば直ぐに役割を変えることができることです。そのスピーディーな判断が、個人のやる気を支え、組織の業績向上に役立ちます。
まずは、お互いの適性診断結果を見せ合うことから始めてみてはいかがでしょうか?
HRD JAPANの事例紹介 日産自動車
コクヨ株式会社 人材開発部 河南 悠さんから
人財が成長する組織を作る
コクヨの持続的新人育成
について説明がありました。
入社5年目の若い担当者です。他のプレゼンテーターは社長・部長クラスですがコクヨさんは本当に若手が発表です。そこにコクヨさんの懐の深さを感じました。ただ、プレゼンテーションは上手でした。非常に分かりやすい。現場感がありました。ゼネレーションZ世代が入社してくるということで、他の参加者も新人育成には興味があるようでした。コクヨさんの施策で面白いと感じた点をまとめます。
①目標は、3年間で「1人前」に育てること
これは、新卒者に向けてもアピールしているそうです。ただ、育ててもらえるという勘違いが無いようにしているそうです。「コクヨ理解」「仕事をやりきる」「自分の頭で考えて行動する」の3軸で育成するそうです。
②3年後に「1人前認定制度」
実際に合格者・不合格者がでるそうです。合格者は四万十地域で植林事業に参加できます。
ⅰ)「コクヨ理解」は基礎知識のテスト
ⅱ)「仕事をやりきる」はチューターの評価
ⅲ)「自分の頭で考えて行動する」はMBA基礎知識+2年目・3年目の決意表明
などで評価するそうです
③チューター制度の導入
思考錯誤して、コクヨなりのルールが出来上がっています
ⅰ)新人と仕事の接点がある中堅社員を選抜
ⅱ)異動の際は、チューターを変更する
ⅲ)チューターに対しては、スタート時の研修と通信講座の申し込み
ⅳ)チューターのインセンティブは、通信講座の費用のみ
ⅴ)1年目(基礎)・2年目(励まし)・3年目(独り立ち支援)とそれぞれチューターの役割を変える
④3カ年の育成計画書
A31枚の育成計画書を作成する
※グローセンパートナーの話ですが、育成計画があると新人の成長はグンと伸びることは実感済みです
⑤新人研修
1カ月の新人研修で、
ⅰ)ビジネススタンスプログラム(自分達で模擬営業をしてみる⇒何もできない修羅場の体験)
ⅱ)放置合宿(配属になると放置されることがあるので、事前に放置されることを学ぶ)
ⅲ)課題トレーニング(会社の問題は模擬的に解決)
ということを実践しているそうです
全体を通してびっくりしたことが、問題の整理⇒課題形成⇒施策の実施⇒検証という手が打てていることです。このPDCAを回すことにより、新人育成機能そのものが毎年ブラッシュアップしているのが手に取るように分かります。人事機能の高度化を感じました。特にチューターの役割整理や、各事業部門におけるチューターの役割の違い・認識の違いをどう埋めるかなど現場に行って、問題を発掘して、手を打っている仕組みは美しいと感じるくらいでした。
ありがとうございました。
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