コラム

Vol.27 中国でいちばん大切にしたい会社

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2010/07/13

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  1. 中国でいちばん大切にしたい会社

中国でいちばん大切にしたい会社

前回に続き、上海近隣の企業視察についてお伝えします。実は昆山で上手に組織マネジメントをしている会社があり、その話をメインに紹介したいと思います。

 見学者が訪れると社員がにっこり笑顔で迎える会社
 管理職クラスは殆ど退職がない会社
 社員のガン手術の費用を皆で募金する会社
 自分の仕事が終わると自主的に他の人の仕事を手伝う会社
 毎週何らかのクラブ活動があり皆で参加する会社

日本でも目指したい会社ですね。それが中国昆山にありました。

まず、総経理の経歴について少々触れます。中国で生まれ、大学は京大を出て、日本の商社に勤めたのちにある会社に転職しています。日本では、バブルも見たし、バブルがはじけたのも見たと言っていました。会社は日系企業であり、中国昆山に会社を設立して14年が経っています。

他の日系企業と違うのは、社員を家族として扱っている点だと感じました。儒教の教えからか家族は大切にします。それと同じで会社を大家族だとして経営してるのです。

総務の役割はお母さん。旧正月のチケットも総務課が取ります。社員がガンになったり、交通事故が起きて100万円の治療費が必要な時は、会社が10万円負担して、残りは皆で募金して集めたそうです。だから、社員は会社を辞めません。逆に家族が集まってきます。

総経理は部長クラスのお嫁さんも探したそうです。ちょっとびっくりしますが、総経理と会社から社員に100万円単位のお金を貸してきたそうです。社員に信用がなく銀行から借金ができないため、総経理と会社が肩代わりしたそうです。そのお金で不動産の購入を勧めました。総経理は日本のバブルを見ているので、今の中国では不動産を買うべきと社員に勧めたそうです。その結果、不動産を3~4件持っている社員がいるようです。物心両面で幸せです。

一番力を入れているのは社員教育だと感じました。マナーがいいのです。我々が部屋に入って電気をつけると、遠くにいる社員の方が気を効かせて、部屋の奥の電気もつけてくれました。皆さんニッコリ日本語で話しかけてきます。

報酬体系も中国にマッチしたものを自ら作成しています。スキルを23分類してスキルを獲得するごとに報酬が上がります。1つのスキルにおおよそ1年の習得期間が必要なので、全てのスキルを身につけるのに23年かかります。日本語の習得も大きく報酬アップになるそうです。日本語学校にも皆さん通っています。

部長クラスの皆さんに、「なぜあなたはこの会社を辞めないのですか?」と質問しました。ある部長は「総経理にお世話になった。○○部長にも世話になった。これからが恩返しする期間」という話をされ、横で総経理の目頭が熱くなっていたことが印象的でした。

印象的というより、これが最高の経営ですね。日本でもこれだけ社長と経営幹部、経営幹部と社員が強い絆で結ばれてることは少ないと思います。知れば知るほど、中国と日本の文化の近さを感じました。なぜ日系企業が失敗しているのか?総経理の人材力ではないか?という気もしました。

また、日本側の援助(現地で決めたことは尊重すること)が大事だと言っていました。

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