コラム

経営者とメンタルモデル
経営者こそ、メンタルモデルに向き合うべき

2020/11/13

7年ほど自己変容の旅にでており、ある一定レベルの深さまで気づけたので、ここで文章にしておきます。前半は自分の話をしますが、結論は「経営者こそ、メンタルモデルに向き合うべき」というのが主張です。

【メンタルモデルとは】
メンタルモデルとは、自分の解釈(価値観・経験・こだわり)などの根底にある自分独自の信念・固定観念をいいます。現実世界をみる独自のフィルターのことです。自分の内面ではあるはずだと思っていたことが、現実世界にはないと思った瞬間に生じた痛みに対して、その痛みを回避するため構築された信念・前提・拠り所になっているものです。その人が根底に抱えている信念・固定観念なのですが、多くの人はその信念・固定観念に気づかずに生きています。メンタルモデルによって、その人はうまみ(能力を開発したり、力を兼ね備えたりするなど)も受容できますが、同時に代償(人間関係がうまく行かなかったり、自分への自信を喪失するなど)が起きます。

1.僕が経験したこと

メンタルモデルに最初に出会って7年が経過しました。
その後、様々なワークショップに参加したり、体からのアプローチをしたり(ロルフィングや断食、ヨガなど)、LifeShift休暇ということで仕事を半減してみたり、いろいろなトライをしました。

自分も会社も実験台のような感じで、感じたことや思ったことをそのまま出して(厳密にいうとメンタルモデルに左右された発言をして)、社内にも迷惑・心配をかけたと思います。

一番奥底にあったのは、「人間を信用していない」というメンタルモデルでした。これは、親の影響を受けただけではなく、過去からのカルマを引き継いだもののようです。親の影響については、余りにも心の奥にしまってしまったため、もうアプローチできないですし、もうしなくてもよい段階まで来た感じです。

「人間を信用していない」というメンタルモデルで、どう自分が生きていたかというと、

  1. 「人間が信用できない」は隠さないといけない。自分がそうあってはいけないと思う。
  2. 「人間を信用しないといけない」と思う。
  3. 周囲の人に対して、その人が信用できる人かどうか、情報収集するようになる。
  4. 同様に、信用できる条件を設定するようになる。
  5. 信用できる条件を満たさない人は、「信用できない人間」として扱う。
  6. よって、「人間は信用できない」を増幅させる。

①~⑥をぐるぐる増強させてきた人生でした。気づいては進み、また上記のサイクルにおぼれを7年間継続してきた感じがあります。

ここで、経営者の場合は、何が起きるかというと、一般の社員と異なるのは、上記の①~⑥サイクルについて、自分を正当化できることです。つまり、相手の問題にできることです。そして、相手の問題にして、解決策を生み出そうとします。

解決策を打つとどうなるでしょう?

自分が創り出している世界なので、解決しないわけです。もう少し深めると、解決策を打っても解決しないので、より「人間不信」に陥ります。次に何をしたかというと、「諦め」という形で、①~⑥について蓋をしたわけです。解決策を考えないようにしました。

何が起きたかというと、表面上は何も起きません。
しかし、内面ではある意味で会社やメンバーを見放したわけで、良い状態にあるわけはないです。

経営者は、メンタルモデルの存在に気づかないと、「自分は正しい」という認識のもとで、次々と的を射ない手を打ったり、解決しないことに怒ったり、逆に心を閉じたりしている可能性があります。

これでは、業績はなかなか上がらないと思います。社員のモチベーションも上がりませんよね。一番大切なことは、自分のパフォーマンスが上がらないことです。会社の成長のため、社員のためといろいろ言い訳を作りながら、どんどん本質から外れたことをしてしまいます。

2.経営者の皆さんに伝えたいこと

メンタルモデルの構造は、下記の通りです。

メンタルモデルがなければ、人間は現実をそのまま受け取れます(メンタルモデルがない場合)。

しかし、現実を見るフィルターの一部は、メンタルモデルを通して現実を反射・選択・歪曲します。よって、現実をそのまま受け取れません(メンタルモデルがある場合)。現実をそのまま受け取れないので、自分独自の解釈をします。その解釈に基づいて、良かれと思って、(自分の中では)合理性をもって意思決定します。それが、悪循環への道に巻き込まれるスタートになります。

メンタルモデルは、誰にでもあります。
メンタルモデルは、いくつもあります。
(深い)メンタルモデルは、自分で隠しているものなので、自分では見つけられません。
メンタルモデルは、なくなりません。その存在に向き合い、それが自分だと認めることです。

だから、ワークショップに参加したり、コーチングを受けたり、自己客観視する力を身に付けることが、業績を上げる最善の道になります。知識武装しても、人脈を作っても、メンタルモデルの影響に気づかなければ、自分も社員も泥沼に突入してく感じです。

自分自身が苦労して、時間を費やして、多額のお金を投資してきましたが、このメンタルモデルも大分扱いやすい時代に突入してきました。経営者の95%ぐらいの着想は適切なのでしょうが、5%のメンタルモデルが悪さをしているような気がします。

メンタルモデルの側面から、経営者支援もやってきたいと考えている今日このごろです。

最後に、メンタルモデルの側面からグループコーチングでサポートする取り組みをしていますので、そのご紹介です。

グループコーチングのご紹介

グローセンパートナーでは、これまでなかなか手が付けられなかった「人に関わる真の課題」を解決することに「グループコーチング」で向き合っています。どうして手を付けられなかったというと、その人のエゴやメンタルモデルに関わる問題であり、本人は上手に回避する(言い訳してやらない)からでした。

それに対して、気軽に自己開示をして、安全にメンタルモデルに気づき、職場の仕事を通して変容することを、グループコーチングサービスでサポートできます。問題には、技術的解決ができるものと、本人の認識を変えないと変わらないものがあります。この後者の問題をそのまま直球で解決できます。

グループコーチングに興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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