コラム
Vol.85 ホモサピエンスが獲得した思考プロセスは「直感」
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2018/03/07
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- ホモサピエンスが獲得した思考プロセスは「直感」
- 人事・教育担当者に読んで欲しい書籍
ホモサピエンスが獲得した思考プロセスは「直感」
あっという間に2018年の2カ月が終わりました。この間に色々なできごとがあり、書きたいことが沢山あります。その中で、自分の中の1つの変化について書きたいと思います。
僕は、コンサルティングの仕事などをしていますので、自分がロジカルな人間だと思っていました。段取りも計画も好きだし、すべて計算しているので、余り失敗を侵さない自信もありました。しかし、自分が全くロジカルに物事を判断していないことに気づきました。
実は、ロジカルシンキング研修をやるときに違和感を感じていました。自分自身が、まったくフレームワークを使って思考していないのに、そのツールを伝えることに違和感がありました。
1月、気仙沼にリトリートへ行ったときに、「島森さんは直感の人だよ!」と言われて、「ふーん」という感じだったのですが、その後2月に強羅にリトリートに行き、参加者の皆さんと話を聞いているときに、「自分は直感で判断し、相手に説明するためにロジカルシンキングを使っている」ことが初めて分かりました。意外に衝撃な事実でした。一緒に参加していたコンサルタントの方も、「僕もそうだよ」「コンサルタントの人は皆そうなんじゃない!?」と話をされており、妙に納得しました。
私は、人事制度策定のコンサルティングに携わっており、よく考えると、
(1)戦略・ビジネスモデルのこと
(2)組織風土・キャリア・人材育成のこと
(3)等級・評価・報酬制度の連動性
(4)労働法など法律関連のこと
(5)更には、お客様のニーズや顔色を見て判断
などを一瞬で処理しているので、(ロジカルシンキング的な)思考では処理できないはずです。財務関係のコンサルタントに聞いても、「判断は直感でしょ!」という回答でした。
ここから探求心が燃えて、その道で成果をあげている方に聞いてみると、ある営業の方曰く、
「お客様と2・3分話をしたら、受注できるか分かりますよ。それが分からないと効率良く営業できないじゃん」
「お客様と話をしていると、受注した情景が浮かぶんです。そうしたらほぼ受注確定です」
「このお客様には、この商品が良いのが分かるんです。それをロジカルに説明するのが大変」
という話でした。
ある採用担当の方曰く、
「学生と話をしていると、どの職場で働くのか情景が浮かびます。そうしたら、採用して、その職場に配置します。昔、トライアルで違う職場に配属させてみたら、すぐにダメになり異動させたりしました」
「学生が本当のことを言っているか、ウソを言っているかが分かります。体のオーラで判断しています。他の皆さんも、その能力があるかと思っていたら、自分だけの能力だと、最近知りました」
「営業で成果を出している人ほど、採用担当に向いているね」
など、興味深い意見が沢山聞けました。
『クロニンジャーのパーソナリティ理論入門』木島伸彦 (著)という書籍には、ホモ・サピエンスが獲得した思考プロセスは、「創造性・直感」とあります。実は、直感は我々が活用すべき思考プロセスの最大の武器かもしれませんね。それを、僕のように活用しているものの、その存在を忘れているのは可哀そうですね。直感さんをもっと愛してあげましょう!
直感について下記ような質問を受けます。
「直感は、その分野において相当な経験が蓄積されないと獲得できないのでは?」
半分YESで、半分NOという感じです。直感は、知識の習得をしなくても誰でもあるものだと思います。
自分の経験で話をすると、弊社が借りている銀座のオフィスに、昔衛生問題で事件になった「〇座眼科」が入っていました。当時、レーシックをやろうと思って情報収集しており、「〇座眼科」が低価格だったのでちょっと気になり、2回ほどパンフレットを見ました。そのときに、「ここではやめよう」と2回とも同じ判断をしたのですが、最後のページに記載されている代表医師の写真に違和感を感じたからです。ニュースを聞いたとき、直感を大切にして本当に良かったな、と思いました。
最後に、「直感」はその人独自の特殊な能力かもしれません。そして、「直感」は鍛えることにより、その感度は上がるように思います。ちなみに、「直感」を大切にすると、自分にも色々な直感があり、
(1)初対面で、ご縁が長く続く人が分かる。
(2)コンサルティングの場などで、どれを選択すべきが分かる。
(3)複数のプロジェクトを回しても、抜け・漏れなどが分かる。
(4)(たまにですが)将来を予測できる。
(5)このメルマガもそうですが、直感的に言葉がでてくる。
などがあります。そして、まだまだ出てきそうです。
直感を自分の特殊能力だと思うと、ワクワク人生が送れますし、直感をしっかり把握して、適材適所ができれば、組織の生産性があがりそうだなと考えています。
皆さん!皆さんがお持ちの直感(特殊能力)があれば、こっそり教えてください。将来的には、直感を見つけ・その能力を伸ばす場など作りたいなと考えております。
人事・教育担当者に読んで欲しい書籍
年末にある方の紹介で、下記の書籍を読みました。そして、先日石川さんの講演も聞く機会がありました。
『TIME TALENT ENERGY ―組織の生産性を最大化するマネジメント』
マイケル マンキンス(著)、エリック ガートン(著)、石川 順也(監訳・解説)、
西脇 文彦(監訳・解説)、堀之内 順至(監訳・解説)、斎藤 栄一郎(訳)
ベイン・アンド・カンパニーが大規模なデータを収集して仕事の生産性についてまとめた書籍です。生産性に関するデータを解析して、TIME軸・TALENT軸・ENERGY軸で、問題点を浮き彫りにしています。「働き方改革」を考える上で、プロジェクトメンバーの必読書となる書籍です。
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