コラム
リモートワークで人事評価はどうすべきか?
コラム記事
2020/06/08
リモートワークで人事評価はどうすべきか?
新型コロナの自宅待機要請に基づき、働き方が大きく変わり、働く価値観も大きく変わってきています。
評価制度の運用においては、2つの課題があると思っております。1つ目の課題は、リモートワークなどでどのように部下を評価するのかという課題、2つ目の課題は、これを機に評価制度の運用にかかるムダを排除したいという課題です。
2つ目の課題については、リモートワークを実際にやってみて、仕事の運用を変えてみて、特に大きな問題がないことに気づいた企業から、慣習でやってきたことの大幅な見直しを進めようという機運が高まってきました。評価制度の運用も無駄が多いので、これを機に見直しましょう。
一度、現在の評価制度を客観的・本質的に分析して、どの施策が必要で、反対にどの施策の効果が薄いのかについて分析することをおすすめします。
評価の機能としては、「報酬決定機能」「役割付与機能」「コミュニケーション機能」「人材育成機能」があります。これらの側面で、2つの課題について解決の方向性を明示したいと思います。
リモートワークなどでどのように部下を評価するのかという課題
リモートワークで強化しないといけないのは、「役割付与機能」「コミュニケーション機能」です。同じ職場で働いているときは、阿吽の呼吸で「これをやっておいて」とあいまいな指示でもよかったり、部下の動きをみてその場で修正ができたりしました。しかし、リモートワークではプロセスが見えにくいのが問題です。
そのために、
①仕事のゴール設定(業務・仕上がりの質・納期など)を細かくすること
②週に一度など定期的に進捗の確認をすること
をしっかりすることが大切です。
特に、②については、「進んでいる?」「進んでます」というような表面的なコミュニケーションでは、実態が見えないので、質問のスキルや沈黙のスキルなどが大切になってきます。分かりやすく表現すると、マネジメントするためのマネジャーのスキルがより必要になってきます。
リモートワークでも「報酬決定」はしないといけません。ここで評価制度運用においても、大幅な見直しを図ってみましょう。これまでは、目標管理(MBO)や行動評価の合計で、時間をかけて評価をしていました。合計の評価結果をみて、イメージと違うと言って調整をかけていました。イメージと違うということは最初から評価が決まっているということです。さらに、上記にあるようにしっかり「役割付与」「コミュニケーション」ができれば、評価は決まると思います。毎週・毎月の進捗管理(1on1)のメモを残して、それを部下と共有して、できれば上司の評価も添えて、適時フィードバックする形に移行すればマネジメント=評価に直結すると思います。
評価制度の運用にかかるムダを排除したいという課題
まずは、現状の評価制度運用にかかる時間を明確化することからスタートしましょう。5分ほどで評価制度運用にかかる時間を算定できるシミュレーション表を作成しましたので、下記からダウンロードしてご活用ください。
一般的には評価制度を運用において、部下一人当たり、半期評価で3時間・年間で6時間以上を費やします。メンバーが10名いると、年間で60時間を要します。評価者の年間労働時間が、2,000時間だとすると、全労働時間の約3%が評価確定の時間に費やされていることになります。この3%が改善できたら良いですね。
現状の評価制度運用にかかる時間が算定できたら、どれくらい改善したいか目標を掲げて、評価制度の無駄を排除しましょう。現状の施策で、完全に無駄なものはないはずなので、少しナナメに構えた視点で、分析するスタンスが大切かと思います。
目標管理・面談・評価をムダ取りの視点で問いを作ってみましたので、この問いに人事部門の皆さんで答えてみてください。
①目標管理のムダ取りの視点
- 目標管理を導入することで、本当に業績向上に寄与しているか
- 目標管理によって、メンバーは自分の役割や、今期の重点課題を認識しているか
- 目標管理によって、メンバーは自律的にセルフマネジメントをしているか
- 目標管理がないと、現場は困るのか
- 目標管理をやめてみたら、どのような問題が起きそうか
②面談のムダ取りの視点
- 目標設定面談をすることで、メンバーは自分の役割や、今期の重点課題の理解を深めているか
- 目標設定面談をすることで、メンバーは自分の成長課題や成長方法の理解を深めているか
- 目標設定面談・期中面談を実施することで、本当に目標達成に寄与しているか
- フィードバック面談によって、部下は納得感を高めているか
- フィードバック面談によって、部下はモチベーションを高めているか
- フィードバック面談によって、部下は来期の役割や成長課題について理解を深めているか
- 目標設定面談・フィードバック面談がないと、現場は困るのか
- 目標設定面談・フィードバック面談をやめてみたら、どのような問題が起きそうか
③評価のムダ取りの視点
- 目標設定で、等級水準や本人の力量に合わせた適切な目標設定がなされているか
- 能力評価・行動評価などは、求める基準に対して適切な評価がされているか
- 昇格や評価結果ありきで、評価結果に手を加えていないか(最初から評価が決まっていないか)
- 現場で評価した結果に対して、説明できない補正が入らないか
- 評価ツールを廃止して、人物評価のみで運用した場合、今の評価結果と変わりそうか
- 評価ツールをなくした場合、どのような問題が起きそうか
もう少し具体的に話を進めたい方は、こちらのセミナーにもご参加ください。
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【会場】オンラインセミナー(「Zoom」を利用して実施します)
【対象】・人事部門役員・人事部門マネジャー・人事担当者
・本セミナーは受講者の皆さんと一緒に考えながら進めていきます。
評価制度の設計や運用ができるレベルの知識は必須です。
【申込】https://www.growthen.co.jp/seminar/20200618/
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