コラム
Vol.94 問題解決そのものに意味がない!?
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2019/01/08
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- 問題解決そのものに意味がない!?
問題解決そのものに意味がない!?
今年は下記のような研修のトライをしてみたいと思います。
(1)心の発達を計画的にデザインする階層別研修
(他者理解・自律性の発揮・ビジョン実現・多様性の理解を促進できるような研修+習慣化をサポートします)
(2)45歳~65歳まで活躍してもらうための変容研修
(定年延長で45歳以上の方の活躍が課題になっているため)
(3)問題解決をしても意味がないことを理解する研修
今回は、「(3)問題解決をしても意味がないことを理解する研修」について解説していきます。
まず、質問です。
「問題解決を毎日やっていますが、問題は減っていますか?」
基本的に問題を減らすために解決しているはずなので、問題は減ることが前提ですよね。それなのに逆に問題が増えている気がしてしょうがないです。
それは、
1.問題の定義が間違っている
2.問題解決の手法が間違っている
の二つが考えられます。
1.問題の定義が間違っている
まずは、「1.問題の定義が間違っている」について説明していきます。
(1)そもそも本音で話をしていない
会議などでは、相手をおもんぱかったり、自分の何かを守るために、本音の話をしていない可能性があります。そこで提示された問題は、表面的な問題かもしれません。
(2)そもそも問題が勝手に作られている可能性がある
組織診断などをして、ある部門の社員満足度が低いという結果が出たとします。そこを問題として定義してしまうことがあります。良い・悪いは相対評価なので、良い部門もあれば、悪い部門もあるはずです。それを一概に問題だと断定できないはずです。組織診断をやる→問題発掘になるので、改善策を打つと問題は増えるばかりです。
(3)そもそも問題の定義は無理
発達心理学を勉強して、更にその問題意識が強くなりました。
私たちは発達段階に応じて、
(1)外部環境そのものが危険に感じる段階
(2)全員の承認を確実に得られないことが不安と感じる段階
(3)自分の専門性を発揮したくてたまらない段階
(4)ゴール達成に向けて成果を出せないことが不安な段階
(5)既存の枠組みそのものに疑問を感じている段階
と様々な視点で問題を定義しています。
それぞれ、自分が正しいと思って問題を定義します。そうなったときに、ある段階の人が定義した問題解決方法は、他の段階の人にとって脅威になる可能性もあります。抵抗や離脱が生まれるかもしれません。
2.問題解決の手法が間違っている
次に、「2.問題解決の手法が間違っている」について解説していきます。問題の定義が難しい以上、正しい問題解決なるものは存在しない気がします。そして、多様性・複雑性の世の中では、1つの問題解決が、違った問題を生んでいるので、問題が減らないのでしょう。
結論として、
・本音の対話型できる環境を作ることが大切
・一旦は問題解決をやめてみて、問題と捉えている自分の内面に向き合ってみる
ことが真の問題解決につながると考えています。
今の社会問題(自分の観点で)として、色々な問題を定義していることが、問題解決という仕事を生み、更に問題が生じ、その問題に対応して、それでも良くならないという悲壮感・疲労感が渦巻いているような気がします。
「もう、問題解決はやめよう!」と大声で伝えたい感じです。
既に何社かで実施・企画していますが、経営層向けに「問題が問題でなくなるワークショップ」を展開し、働く皆さんを少しでも楽にしたいなと思っています。ワークショップをやると、ワークショップ前後で問題の定義が全く変わるので面白ですよ。
最後に、研修名は「ビジョン浸透研修」や「課題形成研修」みたいな表現でやっています。
「問題が問題でなくなる研修」では絶対に導入されないので!
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