コラム
人事評価シート活用│“成長課題の設定”で人材育成のPDCAサイクルを回しましょう
コラム記事
2020/02/27
一般的な人事評価シートは、業績系(目標管理など)と行動系(能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーなどに基づく評価など)で構成されます。
行動系の評価はどう考えても活用方法が間違っていると、10年前から気になっていました。
行動評価の問題
まず、そもそも、期末に能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーでチェックしても、何の気づきになるのかなという点が疑問です。少なくとも、期初に何を期待するのかを教えて欲しいと感じていました。一般的には、期初の目標設定では余り触れずに、ずっと机の中にあり、期末にいきなり登場する感じでした。
次に、多様性の時代、強みを伸ばそうと言いながら、実態は能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーに基づいて評価するというのは時代に逆行していると感じていました。基準に基づいてCheckすると、上司はどうしてもダメな部分を修正しようとしてしまうでしょう。そういった意味で、弱みを克服する制度になってしまいます。
では、能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーをやめればよいかと言うと、どうしても使わないといけいない機能があります。それは等級の定義であり、昇格基準です。昇格基準では、能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーに基づいて、昇格者を絞り込まないといけません。また、将来のキャリアを見える化するためにも必要でしょう。
これらの問題を解決するためには?
これらの問題を解決するために、下記のような考え方を提案しています。行動系の評価シートに「成長課題」を目標設定するという機能です。
方策1)
能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーから、本人の成長課題を特定して期首に目標設定を行う
方策2)
面談や日常のフォローアップで、上司が部下の成長課題を克服できるように、機会を与えたり、サポートをしたりする(リーダーシップ開発が成長課題であれば、プロジェクトリーダーに選抜するなど)
方策3)
期末は、成長課題についてどれだけクリアしたかを共有します。ここで翌期の成長課題についても触れることができれば良いでしょう。評価に関しては、あくまでも能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーに基づく絶対評価で評価をします。
成長課題をクリアすることで、徐々に求める能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーのレベルは向上していくので、評価結果も上がってくるでしょう。しっかりこのPDCAサイクルが回れば、部下は成長して、昇格基準も満たすようになってくるでしょう。
評価シートの具体的な設計については、能力評価基準・行動評価基準・コンピテンシーの定義の横に成長課題の欄を設定するだけです(図表参照、図表では求める行動と表現しています)。これにより、人材育成のPDCAサイクルが回るので、上司の人材育成力向上にも寄与するはずです。
こちらから人事評価シートをダウンロードできますので、是非ご活用ください。
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