コラム

評価制度/目標管理におけるPDCAサイクルの定着について

コラム記事

2019/09/02

マネジメント研修や評価者研修(目標設定編)で、「 PDCAサイクルの定着について」解説しています。目標管理の側面では、PDCAサイクルを回す前に、Goal(達成基準)設定することが前提になります。それは、Goal(達成基準)に向かって、仮説・検証を繰り返しながら、何とかGoal(達成基準)達成することがマネジメントの本質的な意義だからです。

Goal(達成基準)に対してPlan(実行計画)を考える

Goal(達成基準)に対して、Plan(実行計画)を考えるのがブレイクダウンの構造になっています。 まずは、ブレイクダウンについて解説します。次のような目標展開を推奨しています。

Goal(達成基準)については管理職が方針を示し、Plan(実行計画)はその方針を受けて部下が考えるという方法です。Goal(達成基準)を実現するためにPlan(実行計画)を構想するので、Plan(実行計画)はGoal(達成基準)に向けた道筋をより具体的に示したものになります。 

このブレイクダウンを利用し、戦略 → 戦術 →課題 → 実行計画と、現場に行くほど実行の難易度を下げていくことが、目標管理の大切な要素となります。部下が実行できるレベルまで、ブレイクダウン=遂行の難易度を下げることが、Goal実現に向けて大切な要素になります。また、部下がPlanを考えて、評価者がそのアドバイスをすることにより、双方の計画策定力・企画力・実行力・コミュニケーション力などが向上していきます。 

PDCAサイクルと評価シートを統合するためには、評価シートに「評価項目(何を)」、「達成基準(どこまで)」、「実行計画(どのように)」の3要素が記載されていることが前提となります。なぜなら、「評価項目(何を)」、「達成基準(どこまで)」は評価者である管理職が設定するGoalであり、「実行計画(どのように)」がPlanであるため、どの要素が抜けてもPDCAサイクルが回らないからです。 

仮説・検証サイクルを定着させるために

続いて、仮説・検証サイクルの定着について解説していきます。多くの会社で目標設定された評価シートをみて感じることは、評価シートのPlan(実行計画)に「仮説」が盛り込まれていないケースが多いということです。「仮説」とは、「実行により成果が出ることもあれば、成果が出ないこともある」、「うまくいくだろうというあたりをつけること」、「達成基準が変われば(ハードルが上がれば)、実行計画(=仮説)は変わる」ことです。 

この仮説に該当しない例は「新規顧客の開拓」などです。これを「建設業界をターゲットに新規活動する」、「創業1 年以内の会社に対して新規活動をする」といった表現をすることにより、“あたり”をつけた仮説になります。この仮説をPlan(実行計画)に盛り込んだうえで、Do(実行)してみる。そしてCheck(検証)をし、うまくいかなかった場合は新しいAction(新しい打ち手)を考える、というPDCAサイクルを再度確認・徹底することが重要となります。 

Plan(実行計画)の書き方については、定量目標・定性目標とでは表現は異なります。定量目標では、指標+数値とGoalが明確になっているため、Plan(実行計画)には仮説を設定すると良いでしょう。定性目標では、ありたい状態がGoalになるために、Plan(実行計画)はこうすればうまくいきそうという段取りを記入することになります。この段取りについて、ここでつまずきそうという想定や、新しいトライアルなどを設定することをお勧めしています。 

Check(検証)・Action(新しい打ち手)に関しては、上司と部下の間の大切なコミュニケーションになります。部下に仮説検証のサイクルを回すサポートしたり、成果を出せなかったときに有効なアドバイス・代替案の提示したりすることで、部下のセルフマネジメント力が向上するでしょう。

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